独占禁止法について〔その20〕...
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- 2022.05.16
<3 試用期間満了後の本採用拒否について>
プロシード法律事務所代表弁護士の佐藤竜一と申します。本事務所では週一回所内で企業側からみた労働問題について所属弁護士間で研究会を実施しています。本ブログでは当該研究会での議論を踏まえ、企業側の視点からみた労働問題について、随時情報を発信しています。今回は、使用期間満了後の本採用拒否についてお話しします。
期間の定めのなく雇用した労働者について3か月や6か月といった一定の期間について労働契約書や集合規則で試用期間を定める場合があります。使用者側としては,試用期間満了時に自由に本採用拒否ができると考えておられる方もおられるかもしれませんが,これは全くの自由ではありません。
試用期間を経た後の本採用拒否は,「解雇」としての意味を持つと考えられています。したがって,常に有効になるのではなく,客観的に合理的な理由が存在し,社会通念上相当である場合に限って有効となります(労契法16条)。
一般論としては,通常の解雇よりも広い範囲で解雇の自由が認められるとの趣旨を述べた判例もありますが,実際の裁判の運用においてはあくまで具体的事案次第なので,使用者側としては注意が必要です。
上記のような点を踏まえて,使用者側としてはまずは有期雇用として雇い入れ,有期雇用満了後に期間の定めのない雇用契約に切り替えていくという運用をされている企業・事業者もおられます。この場合私見としては,期間の定めのない契約として試用期間を定めるよりもリスクが少ないように思えます。
ただし,当初の有期雇用の際に,当然に期間の定めのない契約に切り替えることを約束していた事情が認められる場合は,本採用拒否の効力が否定される場合があり得ます。むしろ期間満了時に原則は終了となることを,契約書上に明記しておく等の工夫が必要になると考えます。
試用期間満了後の本採用拒否について、貴社が何か悩んでおられる点があれば気軽にご相談ください。
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