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  • 2023.10.01

8 企業側の労働問題 労働者退職の場合の年休消化について

<8 労働者退職の場合の年休消化について>

 プロシード法律事務所代表弁護士の佐藤竜一と申します。本事務所では週一回所内で企業側からみた労働問題について所属弁護士間で研究会を実施しています。本ブログでは当該研究会での議論を踏まえ、企業側の視点からみた労働問題について、随時情報を発信しています。今回は、労働者が退職する場合の年次有給休暇の一括取得や、未消化年休の買取についてお話しします。

 労働者が退職する場合に、退職日までの全日数について一括時季指定して年次有給休暇を取得希望があり、これに使用者が時期変更権を行使できるのか時折問い合わせをいただきます。
 時期変更権は、労働基準法39条5項に規定があり、労働者から年次有給休暇取得を請求されている場合に「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」との使用者側権利です。上記の退職のケースでかかる権限行使ができるかが問題となります。結論としては労働者の退職予定日を超えて、時季変更権の行使はできないと考えられています。時季変更権は、他の時季にこれを与える可能性が前提となっている以上、退職日を超えて与えることはできないからです。

 未消化年休を買い取って欲しいと労働者側が要求してくることがありますが、就業規則等に制度として定めていなければこれに応じる義務はありません。ただし、使用者側がある労働者に退職してもらいたい場合に、合意退職の条件として買取も条件とするケースはあります。使用者側としては、義務ではないという点を認識しておけば良いと考えます。

 貴社において労働者の退職問題に絡んで、年次有給休暇の一括取得や年休の買取について要求されている場合は参考にしてください。その他、労働問題について疑問に感じている点などがあれば、気軽にご相談ください。

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